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線維筋痛症 記事一覧

No.30 線維筋痛症の治療へむけて【線維筋痛症との闘い】

投稿日:12/06/2017 更新日:

<引用>NHK解説委員室

「線維筋痛症の治療へむけて」(視点・論点)

2017年10月02日 (月)

日本線維筋痛症学会 理事長 西岡久寿樹

最近、アメリカの女性歌手レディーガガさんが線維筋痛症にかかっていると公表したことで、線維筋痛症という病気に対する関心が各方面で広がっています。と同時に、私は、国内外にたくさんの患者さんがいるにも関わらず、この病気が世界中に周知されていないということを痛感しました。
今日は、この病気で苦しんでいる多くの患者さんの現状を含めて、そもそも線維筋痛症はどのような病気で、どのような症状があり、さらには治療がどのように進んでいるのかについてお話したいと思います。

線維筋痛症は、英語では「Fibromyalgia」、日本語ではそのまま直訳した「線維筋痛症」という名称で広く呼ばれています。全身の筋肉や関節の周りの腱に激しい慢性的な痛みが起こり、その痛みが体全体に拡散するだけではなく、自律神経系の障害や睡眠障害を伴うなど多彩な症状があります。

私自身がこの病気に向き合うことになったきっかけは、2000年頃に当時20歳の女性が私のリウマチ外来を受診されたことからです。
その患者さんは、激しい全身の慢性疼痛によって、少しの衝撃でも痛みが体中に拡散するため、髪の毛や爪を切ることができず、伸び放題の髪の毛と長い爪をしており、さらに、激しい痛みのため入浴もできない。また、自分の体の重みで痛みが起こることから、寝ることもできない、という正常な日常生活を送ることが全くできない状態でした。
私は、この女性の病気が線維筋痛症の原型だと確信したのですが、当時は、この病気についての治療研究が日本ではまだほとんど行われていませんでした。そこで、2003年初頭に多方面の協力により、日本リウマチ財団に線維筋痛症研究チームを発足しました。さらに、この年の10月、初めて国の事業として厚労省の線維筋痛症研究班が発足しました。
当時も、医療者のなかでもこの病気に対する認知度が低く、患者さんは、診療を受けられる医療機関がなかなか見つかりませんでした。
研究班では、疫学調査や病気の概念の普及のため、診療ネットワークの構築、治療薬の開発など様々な提言を行いました。現在もこの研究班は継続されています。2009年には、より深く科学的な研究が必要という各分野からの要請を受け、日本線維筋痛症学会を発足させ、科学的及び学術的な面からの研究を行っています。学会では、2011年に最近の動向を把握するため20歳以上の男女約14万人を対象にインターネットを使った疫学調査を行い、多くの方から回答を頂きました。
この結果、日本の人口に換算すると、線維筋痛症の方は、潜在的な患者さんも含め約200万人と推定され、決して珍しい病気ではないことが明らかになりました。
この結果は、国内外の学会やグローバルな学術誌で発表をしていますが、未だ一般の方にはもちろん、医療従事者にも広くしられていません。多くの難病と同様に、この病気の正しい知識の普及とともに、原因究明、治療法の確立を進める必要があります。

また、私たちは、臨床の現場で多くの患者さんが訴えるこの病気の症状について調査をしました。
その結果、すべての患者さんが訴える激しい全身の痛みだけではなく、これに付随する形で様々な症状が重複して発症していることがわかりました。

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この図に示すように、症状は、広範囲な疼痛を中心に、ドライアイやドライマウス、筋骨格系、いわゆる関節や関節のまわりにある腱の痛み、抑うつ症状、不眠、自律神経系の障害による過敏性大腸炎、膀胱炎、しびれ、倦怠感、痙攣などの多彩な症状が重複して発症しています。このように、線維筋痛症は原因不明の慢性的な激しい痛みが起こる神経因性疼痛と骨、筋肉、関節などの慢性の痛みが同時に存在する複雑な病態であると考えられています。
なぜ発症するかについては、未だ不明な部分がありますが、
「中枢神経に存在する“痛み”を抑制する部位に、なんらかの機能障害が起こることから発症する」ということがわかってきました。
線維筋痛症は、多彩な症状があるにもかかわらず、診断をするために必要な、客観的に異常を認める指標がいまだ見つかっていません。血液検査やレントゲン検査などでは異常が見つからず病名を特定できないのです。
これが、線維筋痛症の診断や治療を困難にしている大きな要因です。しかし、診断をするための指標が必要であるという厚生労働省からの強い要請を受けて、線維筋痛症学会では専門医でなくても診断ができるように診療ガイドラインを発刊しています。
さらに、この病気の大きな問題点は、30代から40代の働き盛りの女性にそのピークが存在することです。
このため、仕事、家事、育児などの日常生活を送ることが困難な上、周囲の病気に対する理解度が低いことから、患者さんが孤立してしまったり、診療機関へのアクセスのハードルが高い状況になっていることも重大な問題です。
一方、治療面では、この病気に対する薬の開発がこの数年で大きく進歩しています。5年くらい前までは、この病気の治療薬は全くなく、保険適用の薬の入手が厳しい状況でした。しかし現在では、疼痛の局所に対して用いられるものと、中枢神経に存在する痛みを抑えるものの2系統の薬が保険適用となっています。
治療には、これらを併用する形で、広範囲で多彩な症状に対しての薬を用います。
この病気は、原因不明の疼痛を中心に多彩な神経・精神症状がみられるので、治療には、様々な領域の診療科で編成されるチーム医療が重要だと考えています。しかし、現在の日本の医療体制では、大学病院などでは各々の診療科というタテのカベがあり、地域の実地医の大部分がひとつの診療科という現実があります。これが、実地医と専門医、または各診療科の密接な連携を行うことに対して大きな障害となっています。
また、疫学調査から得られた結果のように、患者さんの人数が多いので、厚生労働省の指定難病として認定されていません。
このため患者さんは、慢性的な広範囲な激しい痛みと、これに伴う様々な自律神経系障害に苦しみながらも、国からの医療費等の公的な支援や援助を受けることができないといった点にも今後の検討が必要です。
現代の医学は、これまでも未知の疾患に対して、多くの患者さんが訴える様々な症状をもとに研究を進めて、診断や治療法を確立してきた経緯があります。
線維筋痛症も、患者さんからの声に耳を傾けて診療を続ける一方、より踏み込んだ病気のメカニズムの解明と、治療薬の開発を推進することによって、適切な医療体制の構築を進めることが、極めて重要な課題となっていると思います。

本日は線維筋痛症はどのような病気か、またケア体制の枠組みと課題についてお話をさせていただきました。
激しい疼痛で苦しんでおられる患者さんにとって適切な診療体制が一日も早く出来上がることを望んでいます。

<引用終わり>

続き No.31 社会の矛盾に…【線維筋痛症との闘い】

今まであまり知られていない病気をレディーガガさんに公開していただきましたが日本にも私と同じように 線維筋痛症で苦しんでいる方がたくさんいらしゃるようです あなたのいいね!が力になります。

少しでも 病気のこと理解していただける方が増えることを 望んでいます。

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